JGMSは、医師や医学生の海外留学を支援し、国内医療のグローバル化を目指すNPOです。留学経験のある医師を招き、定期的に講演会を行っています。
台湾 桃園長庚紀念医院留学体験記
順天堂大学医学部産婦人科
楠木 総司 M.D., Ph.D.

台湾の情報

留学先の台湾は人口2300万人、大きさは九州くらいで、石垣島にも近く、南国のイメージをされている方も多いと思いますが、冬は10度以下まで下がり、風が強い日は非常に寒く感じることがあります。

また1年を通じて湿度が高く、小雨も多い印象があります。台湾滞在中は1年を通してカビの発生に悩まされました。
夏はとにかく暑いです。しかし昨年は台風がほとんどなく、今年の5月に水不足で多くの地域で断水がおこなわれました。

台湾は台湾語と北京語が主な言語で、公用語は北京語です。治安は非常によく夜出歩いても全く危険を感じることはありません。

台北市内全域を地下鉄がカバーし、台湾全土もHigh Speed Rail (日本の新幹線)が走っており、移動も便利で非常に住みやすい国だと思います。

また日本まで3時間で安い航空券で気軽に帰れるのもいいかもしれません (旧正月の1度しか帰りませんでしたが)。

Chung Gung Memorial Hospital (CGMH)

1976年に林口という地にCGMHができ、その後、台北、基隆、高雄、嘉義、桃園、雲林、そして中国にもbranch hospitalを有します。
私が在籍した林口のCGMHは台北市内から西へ高速バスで30分かかります。病床数は3700と非常に大きな病院です。
市内から外れた場所にありますが、現在台北市内と空港、病院を結ぶ路線が建設中で年内に稼働予定のようです。

また台湾で有名な夜市も病院の敷地内に昨年完成しました。病院を中心に街が発展してきた印象があります。
院内に寮がありインターナショナルフェロー、Chung Gung大学医学部生には無料で提供されます。

台北市内、branch hospitalへ向かうバスも無料となります。また寮内にジムがあるため、いつでも体を動かすことができますし、院内ではほぼ毎週、すべての人を対象にカンファレンスルームで映画を上映しています。

また、院内にフードコート、コンビニ、カフェ、クリーニング、本屋、雑貨屋からパン屋まで併設され、必要品をすべて調達することが可能です。

留学の経緯

ほとんどの方が研究目的で留学されると思いますが私は腹腔鏡手術の勉強をするため、台湾への留学を決めました。

CGMHの婦人科内視鏡グループのChyi-Long Lee教授はAPAGE (The Asia-Pacific Association for Gynecologic Endoscopy and Minimally Invasive Therapy)という内視鏡学会の会長を務め、またAPAGEにはinternational fellowship training programがあります。

主にフィリピン、マレーシア、インド、タイからのフェローが多いです。私の場合、先輩が半年間、CGMHでトレーニングし、その先輩の勧めで台湾への留学を決意しました。
英語に対する苦手意識を克服したい、留学してみたいけど大学院は進学済みのため留学するなら臨床で、という思いもありました。

留学準備は、当直バイトを増やして留学資金として200万円準備しました(家のローン資金は別)。
また順天堂大学産婦人科同窓会に依頼し留学資金を少し援助していただきました。幸い台湾の物価も日本と同等か少し安いため切りつめて生活すればこのくらいで足りる印象です。

英語は留学を決めてからの半年間、週に1〜2回英会話教室に通いましたが正直全く身につきませんでした。
また英語のCD、DVDなど、勉強の仕方が分からず色々手をだしたのも敗因だったと思います。
台湾に在籍後も英会話教室に通い、日本にいたときと同様、迷走状態がしばらく続きましたが、9ヶ月たった現在、少し落ち着いた僕なりの英語学習方法を紹介させていただきます。しかし、英語環境に身を置くことが一番だと思います。

  1. リスニングプラザ(ディクテーション、聞き取りのサイト)
  2. お散歩英語English Walk(サイト)内にある瞬間英作文
  3. ネイティブ英語のススメ(サイト内で英語学習、勉強方法が紹介され、動画配信もあります)
  4. Japan News(携帯アプリ、フィリピンの友人は、このアプリは日本人の英語だからCNN、BBC、イギリス英語を勉強するよう勧めていましたが日本のニュースの方が興味が湧くため英単語の勉強もかねて毎日みています)
  5. ひたすら英単語暗記(なんでもいいと思います)

生活情報

食事は日本人の口に合いますし、円安の影響はありますがそれでも外食は日本より少し安いと思います。
自炊は、外食より安く済みますが野菜などの値段は日本と同じくらいです (子供がいるため外食は週末と友人との食事のときだけです)。

日用品は日本からの輸入品も多く、逆に高いかもしれません。
台湾観光は小さい島ですし1年あれば色々なところに行けます。何冊かガイドブックを持って行きましたが愛用本は’’子連れ台北 (佐々木千絵 著 書肆侃侃房)’’です。
台北市内の観光に限りますが小さくて持ち運びが便利ですしイラストも多く、色々なお店が紹介されています。子連れでなくても楽しめると思います。

家族は3ヶ月後に妻と2歳の息子を呼んで病院近くのアパートにくらしました。
1ルーム、洗濯機なしで10000元(約40000円)です。
寮の部屋は残して毎週家族の洗濯をしに行きました。

生活費は家賃、光熱費を併せて5万円弱、生活費は5-8万円くらいでやりくりしていました。保険は日本で留学保険に加入しましたが、台湾の国民皆保険には加入していません(何ヶ月以上在住すると加入義務があるとみたことがありますが他のフェローに聞いてもよく知らず、未加入でした)。

万が一に備えて薬は大量に日本から持参しましたが、幸い台湾では、歯の詰め物がとれて病院内の歯科に受診したのと(診ていただいた先生の計らいで無料でやってくれました)、妻の腰痛でカイロプラクティスに1週間通ったくらいです(1回800円くらい、調べると自費診療でも台湾は安いようです!)。

留学してよかったこと

留学してよかったことは英語学習に打ち込む時間と機会が与えられたこと、多くの友人、良き指導者に出会えたことです。

また家族と一緒の時間があり、人間らしいまともな生活ができたことも良かったことです。英語学習は1年では全く足りません。しかし当初に比べれば少しマシになったでしょうか。
聞き取りはアメリカ、イギリスに留学に行く方に比べると皆ネイティブでない人たちの英語のため聞き取りやすかったり、逆に聞き取りにくかったりと様々です。
英語学習メインの留学であればそのような国を選ばれる方がいいかもしれません。また留学を通じて英語の必要性を痛感しました。

台湾に行って驚いたのはほとんどの医師が英語を話せることです。カルテはもちろん英語です。
海外留学を経験している医師も多く、日本と同じ島国でも海外への意識がまったく異なる印象をうけました。一般の人も片言ですが話せる人が多いように感じました。


CGMHには内視鏡手術の研修に1ヶ月、6ヶ月と短期間で研修にくるフェローも多くいます。そのため多くの海外医師と交流ができました。
国ごとで治療法、検査法、考え方まで異なり、非常に勉強になります。

また、APAGE主催の学会で中国のワークショップ、台湾の学会にも参加しました。内視鏡手術に必要な技術であるビデオ編集、論文作成についても学ぶことができました。
何より日本にとどまらず、世界に目を向けられる考え方が身につき、意識改革できたことが今回の留学の最大のメリットかもしれません。

今後の講演会情報

第14回JGMS講演会
2018年3月24日(土)
17:00-18:30
詳しくみる

協賛リンク

大学院・大学留学指導のトップ予備校 アゴス・ジャパン。TOEFL・IELTS・GRE・出願書類対策のエキスパート
PAGETOP
  • お問い合わせ先
    JGMS (Japan Global Medical Career Support)
    株式会社Avenir(事務局代行)