医療留学の意義
医療分野で海外に留学することは豊かな語学力・コミュニケーション能力や異文化体験を身につけ、国際的に活躍できる「グローバル人材」になることに繋がります。海外留学によって、いまの時代に必要な国際的な医療を理解し、日本を国際的立場から俯瞰することの第一歩になります。
医療留学の準備
留学の準備を始めるには、自分がいつ留学するかを設定し、逆算的に自分の資質を高める事が必要です。例えば良い推薦状をもらい、エッセイを書くには留学前に業績(論文、学会活動、ボランティア、インターン)を経験し、準備する必要があります。
自分がどのように留学するかを、なるべく早く設定する必要もあります。日本人医師が海外に留学する場合は、「臨床」もしくは「研究」が目的になるのが大半で、臨床留学の場合はUSMLEの取得も必要です。職場から離れる場合、助成金の獲得や上司の説得が必要となります。また、カレッジ、メディカルスクール、大学院、研修医の場合は受験が必要になり、トップスクールに入学するのにTOEFL(iBT)のスコアは最低100点以上が必要です。
そしてなにより、実際に留学できた場合でも文化や言語の違う環境に適応する強いモチベーションと経験のある先人のアドバイスが必要となります。このセクションでは留学の準備についてテクニカルなご説明になりますが、留学経験者への実際の経験談やご質問はJGMSまたはセミナーにてご出席下さい。
留学の種類、必要な準備
(1)博士研究員
- 履歴書
- 推薦状3通
2、3年の留学が一般的で、日本で博士課程を終了したのちに留学する事が多い。学生ではなく、研究者として勤務であり学位の取得もなく、給与が支払われる場合は$40,000が標準、ハーバード大学などは自分でフェローシップを取得してラボのボスに直接志願して行くのが一般的。医療留学の費用は1年で約320万円を目安として、車無しで他の交通機関を使う場合は250万円程。
以下目安:
・ 家賃120万円/年
・ 車100万円
・ 往復航空チケット15万円/人
・ 食事60万円/年
・ その他20万円/年
(2)インターン
- 履歴書
- 推薦状2通
2、3ヶ月の夏期留学が一般的で、在学中に現地のラボで研究の経験とお手伝いをする事が目的となる。学位の取得はなく、通常は給料がないので短期のフェローシップか自費による負担の留学になる。博士研究員同様、自分でフェローシップを取得してラボのボスに直接志願して行くのが一般的。費用は往復の飛行機代込みで2ヶ月40万円前後。海外での研究活動だけではなく、ビザの申請、往復チケットの手配、現地でのアパート探しなどを事前に経験できる機会になり、インターンの経験は大学留学や博士研究員の留学に有利に働く。
(3)MPH(Master of Public Health:公衆衛生学修士)
- 履歴書
- 推薦状3通
- TOEFL
- GRE
ハーバード、ジョンズホプキンス、ロンドン大学は1年の学位取得の留学になり、 統計、疫学、保険、医療政策など医療に直結した内容を学ぶ。 ハーバード大学であれば$40,000の学費を納める必要がある。
(4)MBA(Master of Business Administration:経営学修士)
- 履歴書
- 推薦状3通
- TOEFL
- GRE
- Statement Essay3通
通常は学位取得に2年掛かり、学費は $45,000/年が一般的。
なお、留学の種類に関わらず、以下のものは現地到着後すぐに準備しておくと便利です。
・ Social Security Number
・ 携帯電話
・ アパートの契約
・ 銀行口座の開設
・ 家具の購入
・ インターネットの契約
留学後のキャリア
海外留学によって、豊かな語学力とコミュニケーション能力を身につけ、国際的な医療の現場を理解できるようになります。留学後のキャリアとしては、主に以下の3つが挙げられます。
1. 海外での経験と経歴を職場で活かす
2. 日本に戻り、研究の経験を活かし研究を続ける
3. 海外に残り、現地で活動を続ける